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ノリックもどき

阿部 典史

1996年

マールボロ・ヤマハのエースライダーとして二年目のグランプリを戦うノリック。

第一戦、第二戦と結果が残せず、おそらくはモヤモヤした気持ちのまま第三戦の母国グランプリを迎えたのだろう。得意の鈴鹿サーキット。意気込みとは裏腹にフリープラクティス、予選ともに思い通りの走りが出来ず最悪の仕上がりで決勝レースを迎える。

決勝レースが始まる。

500ccとは思えないくらい激しく順位を入れ替えながら走るトップグループの中にノリックは居た。持ち前の接近戦の強さを発揮して一台、また一台と順位を上げていくノリック。

そして8周目。ついに王者ドゥーハンをパスしトップに躍り出る。

その後も猛烈なペースで周回を続けるノリック。

差は広がる。誰もついて来れない。

ノリックはアクセルをゆるめない。

サーキット全体が異様な興奮に包まれる。

コースレコードを更新しながら予選より早いペースで周回を続ける。

そして歓喜のチェッカーフラッグ。優勝。

 

私、ヘアピンで観戦してました。

いやー忘れられない。