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若井 伸之もどき

フラミンゴ

長い手足を折り畳んで小さい(ように見える)バイクを振り回す、アグレッシブなライディングスタイルの若井 伸之。1991年、若井、坂田、上田、3人のプライベーターがWGP125にデビューした。彼らの目覚しい活躍は「日本からのニューウェーブ」として世界に認識され、GPのパドックにおける日本人そのものの環境が変わっていった。

そしてそれはワークス・チームの方針変更(93年の伊藤、岡田、原田のワークス参戦)まで波及し、日本人が次々に世界へ飛び出す時代を彼らが築いたといっても過言では無いのです。

さらっと書いたこの顔ぶれの活躍は言うまでもないのですが、後に世界タイトルを獲得した二人(坂田&原田)が、参戦前、世界GPに全然興味がなかったっていうのは有名な話らしい。二人の親友が若井でなかったら、若井が「世界はイイゾー」と彼らに吹き込まなければ、二人の世界チャンプは生まれなかった・・・彼の起こしたちょっとした奇跡の一つですね。

陽気で面倒見の良いナイスガイはパドックの人気物となり、そして、いつしか若井の非凡な才能は周知のこととなっていた。92年のシーズン終了後250ccにステップアップ。相変わらずプライベート・チームながら、スズキのワークスRGV-γを走らせることとなった。しかし順風満帆だった彼を、第四戦スペインGP予選中、事故が襲った。とても信じられない内容のその事故の最中、間違いなくベストをつくした彼は、一人の命を奇跡的に救い、自らは帰らぬ人となってしまった。

忘れられないライダーです。

”もどき”は92年スポットで250にのったラッキーストライクRGV-γの若井さんです。